個人保証 経営者以外も容認へ

銀行などが中小企業へ融資する際の個人保証の制度改正を巡り、引き受け側の自発的な意思が確認できれば、経営者以外にも保証を認める方向となった。民法改正を検討する法務省が法制審議会の民法(債権関係)部会に素案を示し、ほぼ同意を得た。経営者に限定すると資金繰りや起業への影響が大きいとの懸念に配慮し、厳格な条件を満たせば例外を認める。  民法改正では、売買など契約の基本ルールを定めた部分(債権法)を中心に約260項目の見直しを議論している。  法務省は事業での借入金への個人保証の対象者について絞り込みたい考えだ。保証人の範囲は(1)経営者が自社の債務を保証する場合(2)総議決権の過半数を持つ株主らが引き受ける場合――などとする案をまとめた。  一方で保証を自ら進んで引き受ける意思を確認できた個人に限り、例外的に保証人になることを認める。直接の資金提供ではなく保証人となって第三者の起業を支援する投資家らを想定。意思確認は公正証書の活用を求めるなど厳格な手続きを設け、法の趣旨を逸脱した拡大解釈の防止につなげる。  今年2月に法制審の部会が決めた民法改正要綱の中間試案では、個人保証は経営者に限るとの考えを打ち出した。  契約ルールなどについて詳しくない経営者の家族らが保証人となり、高額の借金を背負って生活破綻に追い込まれる事態などが多発するのを防ぐことに重点があった。  ただ個人保証は不動産など担保が不十分な中小企業の信用力を補い、資金調達のコストを下げるのに役立っている面もある。このため対象を一定の支払い能力を見込める個人に限定し、資金繰りの悪化などを懸念する中小企業側の要望との調和を図る方向となった。  経営者の個人保証を巡っては、中小企業団体や金融機関団体の担当者、有識者らの研究会が12月に「ガイドライン」をまとめた。過大な債務の負担とならないような保証金額の設定、保証契約の締結時に丁寧な説明を尽くすなど、事業者の自主的な対応も進んでいる。日本経済新聞

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